FXの「24時間取引」は3つのバトンリレーで成り立っている
FXは月曜早朝から土曜早朝まで24時間取引できる。でも「24時間ずっと同じ雰囲気」ではない。東京→ロンドン→ニューヨークと、3つの金融センターがバトンを渡しながら市場を回している。それぞれの市場には「性格」があって、値動きのクセが全然違う。このクセを知っているかどうかで、トレードの勝率は大きく変わる。
東京市場(9:00〜15:00)──穏やかなレンジ相場
日本、オーストラリア、シンガポール、香港のトレーダーが中心。全体的に穏やかで、レンジ相場(一定の値幅を行ったり来たりする展開)になりやすい。「今日の方向性が決まるのはロンドン時間から」というパターンが多く、東京時間はじわじわと値幅を作る「下準備」の時間帯とも言える。
東京市場の注目イベント
- 仲値(9:55頃):銀行が顧客に提示するレートが決まる時間。特に五十日(ゴトウビ=5日、10日、15日、20日、25日、30日)はドル買い需要が増えてUSDJPYが上昇しやすいとされる。「仲値トレード」は古典的な手法だが、今でも一定の効果がある。
- 日銀の金融政策決定会合:年8回開催。結果発表は不定だが、昼前後が多い。サプライズがあるとUSDJPYが一瞬で100pips以上動くことも。
- 中国の経済指標:中国のGDPやPMIの発表がAUDJPYやAUDUSDに影響する。
ロンドン市場(16:00〜25:00/冬17:00〜26:00)──1日のメインイベント
世界最大の外国為替市場であるロンドン。全世界のFX取引の約40%がロンドンを経由すると言われている。東京時間に作られたレンジを「ブレイク」してトレンドが発生するのがロンドン市場の十八番(おはこ)だ。
ロンドン市場が始まる16時(夏時間)になると、値動きが明らかに活発になる。「東京時間は大人しかったのに、ロンドンが始まった途端にチャートが動き出した」──この体験は多くのトレーダーが共感するはず。
ロンドン市場の注目イベント
- 欧州の経済指標:ユーロ圏のGDP、CPI、ECB金利決定。EUR系通貨ペアに直結。
- 英国の経済指標:BOE金利決定、英CPI。GBP系が大きく反応する。
- ロンドンフィキシング(25時/冬26時):大口の実需取引が集中する時間。月末は特に値動きが大きくなることがある。
NY市場(22:30〜翌6:00/冬23:30〜翌7:00)──指標で一瞬の嵐
米国の経済指標が集中する21:30〜23:00(夏時間)は、FXにおいて最もボラティリティが高い時間帯のひとつ。NFP(非農業部門雇用者数)、CPI、FOMC──これらの発表時刻に合わせてモニターに張り付くトレーダーは世界中にいる。
NY時間の後半(日本時間の深夜2時以降)は徐々に取引量が減り、翌朝の東京市場につなぐ形でフェードアウトしていく。そして朝6〜7時にかけて「流動性の谷」が訪れ、スプレッドが拡大する──これが1日のサイクルだ。
時間帯ごとの値動きは、リアルチャートで体感するのが一番早い。デモ口座でも24時間のリアル相場を見られる。
XMで口座を開設して市場の動きを体感する →ロンドン×NY重複時間帯(22〜25時)──1日のゴールデンタイム
ロンドン市場とNY市場が同時に開いている22時〜翌1時(夏時間)は、1日で最も流動性が高くボラティリティも大きい「ゴールデンタイム」だ。世界の2大市場が同時にオープンしているのだから当然と言えば当然。
この時間帯の特徴は──
- スプレッドが1日で最も狭くなる
- 大きなトレンドが発生しやすい
- 米国の重要指標もこの時間帯に発表される
- 取引量が多いのでスリッページも小さい
「いつトレードすればいいの?」と聞かれたら、「22時〜翌1時」と答える。兼業トレーダーにとっても、仕事から帰宅して夜にトレードできる時間帯なのが嬉しい。日本の生活リズムとFXのゴールデンタイムが偶然にも一致しているのは、日本人トレーダーの幸運だ。
サマータイムの影響──年2回の混乱に備える
欧米にはサマータイム(夏時間)制度があり、3月の第2日曜日(米国)〜11月の第1日曜日に時計が1時間進む。ヨーロッパは3月最終日曜日〜10月最終日曜日。
サマータイム切り替え前後は──
- 各市場の開始・終了時間が1時間ずれる
- 経済指標の発表時間も1時間ずれる
- XMのサーバー時間もGMT+2からGMT+3に切り替わる
- EAの時間フィルターがずれて想定外の動作をする可能性がある
切り替え日の前後は特に注意して、経済指標カレンダーやMT4/MT5の表示時間を確認しておこう。
XMのサーバー時間──GMT+2(夏GMT+3)
XMのMT4/MT5のサーバー時間はGMT+2(夏時間はGMT+3)。つまり日本時間(GMT+9)との差は7時間(夏は6時間)だ。
MT4/MT5のチャートに表示される時間は日本時間ではなくサーバー時間なので、「チャートの時間 + 7時間(夏は6時間)= 日本時間」と覚えておこう。最初は混乱するかもしれないが、慣れれば自然と頭の中で変換できるようになる。
XMのサーバー時間で0:00=日本時間の朝7:00(夏は6:00)に日足が切り替わる。このタイミングはNY市場のクローズにほぼ一致しており、テクニカル分析に最適な日足の切り替わりポイントとされている。
時間帯別のおすすめトレード戦略
| 時間帯 | 特徴 | おすすめ戦略 | 向いている通貨ペア |
|---|---|---|---|
| 東京(9〜15時) | レンジ相場 | レンジ売買・仲値トレード | USDJPY, EURJPY |
| ロンドン開始(16〜18時) | トレンド発生 | ブレイクアウト | EURUSD, GBPUSD |
| 重複(22〜25時) | 最大ボラティリティ | トレンドフォロー | 全通貨ペア |
| NY後半(2〜6時) | 減速 | 基本的に様子見 | ── |
| 早朝(6〜8時) | 流動性最低 | 取引しない | ── |
副業トレーダーの多くは帰宅後の20時〜24時がメインの取引時間になるだろう。これはまさにロンドン×NY重複の時間帯と重なるから、限られた時間を最も効率的に使える。仕事中に「東京時間を見逃した」と嘆く必要はない。メインディッシュは夜に用意されている。
FX Rescue編集部では2026年5月14日〜18日にXMスタンダード口座のUSDJPYで時間帯別のスプレッドとボラティリティを計測。東京時間(9〜15時)の平均スプレッドは1.6pips・1時間あたり平均変動12pips。ロンドン×NY重複時間帯(22〜25時)は平均スプレッド1.5pips・1時間あたり平均変動28pipsで、ボラティリティが2.3倍高いことを確認した。早朝6:30のスプレッドは平均6.8pipsだった。