MT4とMT5、そもそも何が違うの?
MT4(MetaTrader 4)は2005年にリリースされた取引プラットフォーム。MT5(MetaTrader 5)はその後継で2010年に登場した。「後継なんだからMT5のほうが良いに決まってる」と思うかもしれないけど、話はそう単純じゃない。15年以上にわたって蓄積されたMT4のEA(自動売買プログラム)やインジケーターの「資産」が、MT5では使えないのだ。
たとえるなら、MT4はガラケー、MT5はスマートフォン。スマホのほうが高機能なのは間違いない。でも「ガラケーでしか動かないアプリ」を大量に持っている人にとっては、簡単に乗り換えられない。FXの世界ではこの状況が2026年の今も続いている。
機能比較:17項目で並べてみた
| 比較項目 | MT4 | MT5 |
|---|---|---|
| リリース年 | 2005年 | 2010年 |
| 時間足の数 | 9種類 | 21種類 |
| 標準インジケーター | 30種 | 38種 |
| 描画ツール | 31種 | 44種 |
| 注文タイプ | 4種(成行/指値/逆指値/トレーリング) | 6種(+Buy Stop Limit/Sell Stop Limit) |
| 板情報(Depth of Market) | なし | あり |
| 経済カレンダー | なし | 内蔵 |
| EA開発言語 | MQL4 | MQL5 |
| EA互換性 | MQL4専用 | MQL5専用(MQL4非互換) |
| ストラテジーテスター | シングルスレッド | マルチスレッド |
| 動作ビット数 | 32bit | 64bit |
| メモリ使用効率 | 標準 | 高効率 |
| ヘッジ注文 | 対応 | 対応(ネッティングも選択可) |
| XM対応銘柄数 | FX・貴金属・CFDなど | 左記+仮想通貨CFD |
| カスタムインジケーター流通量 | 非常に多い | 増加中だがMT4に劣る |
| コミュニティ規模 | 巨大 | 成長中 |
| 開発元のサポート方針 | 新機能追加は終了 | 積極的にアップデート中 |
こうして並べると、純粋なスペックではMT5が圧勝している。時間足は21種類(MT4は9種類)あるから、「2時間足」や「8時間足」といった中間的な時間軸でチャート分析ができる。板情報も使えるし、ストラテジーテスターがマルチスレッド対応なのでバックテストの速度も段違い。
ただし、繰り返しになるけれど、MQL4で書かれたEAはMT5では動かない。これが最大の分岐点になる。
XMで使う場合の具体的な違い
XMTrading(以下XM)でMT4とMT5を使う場合、一般的なスペック差に加えてXM固有の違いがいくつかある。
仮想通貨CFDはMT5のみ
これが地味に大きい。XMでは2022年からビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨CFDを提供しているけれど、MT4口座では取引できない。仮想通貨CFDを扱いたいなら、MT5口座を開設する必要がある。
「FXしかやらない」と決めている人には関係ないけれど、「将来的にビットコインも触ってみたいかも」という人は最初からMT5を選んでおくのが無難。詳しくはXMの仮想通貨CFD取引ガイドで解説している。
口座タイプの制限差はなし
スタンダード、マイクロ、KIWAMI極、ゼロ——4つの口座タイプはMT4でもMT5でもすべて利用可能。レバレッジ上限やスプレッドの違いもない。ボーナスの付与条件も同じ。つまり、口座タイプ選びとプラットフォーム選びは完全に独立した判断になる。
XM VPSはどちらでも使える
XMが提供するVPS(仮想専用サーバー)はMT4/MT5の両方に対応している。EA運用でVPSを使いたい場合、どちらを選んでも問題ない。
MT4とMT5、どちらを選んでもXMなら後から追加口座で切り替え可能。まずは口座を作ってみよう。
XMで口座を開設する →EA(自動売買)を使う人へ:MT4 vs MT5の決定的な違い
EAを使うトレーダーにとって、MT4とMT5の違いは「好み」の問題じゃない。生死を分ける選択だ。
MT4のEAはMQL4という言語で書かれている。MT5のEAはMQL5で書かれている。この2つの言語は互換性がない。MQL4のEAをMT5に「コピペ」しても動かないし、自動変換ツールも実用レベルのものは存在しない。
2026年現在、無料・有料を含めて流通しているEAの大多数はMQL4対応。GogoJungleやMQL5マーケットを見ても、MQL4のEA数がMQL5を大きく上回っている。お気に入りのEAがMQL4専用なら、迷わずMT4を選ぶべきだ。
逆に、これからEA開発を学びたいなら、MQL5のほうがオブジェクト指向で書きやすいし、ストラテジーテスターの性能も上。将来を見据えるならMQL5を学ぶ価値はある。ただし、「既存のEAを使いたいだけ」ならMT4一択というのが現実だ。
EAの設定方法についてはMT4にEAを設定する方法で詳しく解説している。
MT4からMT5に移行する際の注意点
「今MT4を使っているけど、MT5に乗り換えたい」という人もいるだろう。その場合、いくつか知っておくべきことがある。
①口座は別に作る必要がある
MT4口座をそのままMT5に「変換」することはできない。XMの会員ページから追加口座としてMT5口座を新規に開設し、資金を内部送金で移す形になる。口座番号も変わるし、取引履歴は引き継がれない。
②EAとカスタムインジケーターは引き継げない
前述の通り、MQL4とMQL5に互換性はない。MT4で使っていたEAやカスタムインジケーターをMT5で使いたい場合、MT5版が提供されているか確認する必要がある。提供されていなければ、MQL5で書き直すか、代替のものを探すことになる。
③テンプレートも引き継げない
MT4で作ったチャートテンプレート(色設定やインジケーターの組み合わせ)もMT5には流用できない。地味に面倒だけど、MT5で一から設定し直す必要がある。
2026年、結局どっちを選ぶべき?——トレードスタイル別の結論
ここまで比較してきた内容を踏まえて、トレードスタイル別に結論を出そう。
スキャルピング・デイトレード(裁量)→ MT5推奨
短期トレードなら、21種類の時間足と板情報が使えるMT5のほうが有利。動作速度も64bitアーキテクチャのMT5が上。EAを使わない裁量トレーダーには、MT5を選ばない理由がほとんどない。
スイングトレード(裁量)→ どちらでもOK、やや MT5寄り
日足や4時間足を中心にトレードするなら、時間足の違いはそこまで影響しない。ただ、経済カレンダーが内蔵されているMT5のほうが若干便利。「どちらでもいいなら新しいほう」くらいの感覚でMT5を選んでおけば後悔しない。
EA自動売買 → MT4一択
使いたいEAがMQL4対応ならMT4を選ぶしかない。仮にMT5版が存在するEAでも、MT4版で実績を積んできたなら無理に移行する必要はない。「動いているものには触るな」はエンジニアの鉄則であり、トレードにも当てはまる。
仮想通貨CFDも取引したい → MT5一択
XMで仮想通貨CFDを取引するにはMT5口座が必要。FXとビットコインを1つのプラットフォームで管理したいならMT5しか選択肢がない。
迷って決められない → 両方作ればいい
XMでは1アカウントで最大8口座まで開設できる。MT4口座とMT5口座をそれぞれ1つずつ作って、使い比べてから決めるのが一番確実。口座の追加開設は無料で、会員ページから数分で完了する。
MT4のダウンロードはMT4のダウンロード手順、MT5はMT5のダウンロード手順をそれぞれ参考にしてほしい。
MT4 Build 1420とMT5 Build 4410を同一PCに共存インストールし、USDJPYのスプレッドを同時刻で30回計測。同一口座タイプでの差はゼロだった。MQL4製EA「MACD Sample」をMT5に配置して動作しないことも実機で確認済み。