エラー136「Off quotes」とは
MT4でエラーコード136(メッセージ:Off quotes)は、サーバーが注文を処理するための有効な価格(クオート)を提供できない状態で発生します。直訳すると「クオート(気配値)が外れている」という意味で、ブローカーのレート配信サーバーとリクイディティプロバイダーとの間で一時的に接続が切れているか、提示できる有効な価格が存在しないことを示します。
エラー135(Price changed)がレートの更新ズレによる再見積もりなのに対し、エラー136はそもそも配信側がクオートを提示していない状態なので、単純な再注文ではすぐには解決しません。「なぜクオートが出ていないのか」という原因を把握して、時間を置くか条件を変えるかの判断が必要になります。
エラー136の主な原因
- レート配信の一時停止:米雇用統計やFOMCなど重要指標発表の瞬間、地政学リスクの急発生時にリクイディティプロバイダーがレート配信を一時停止することがあります。数秒〜数十秒続くのが通常です。
- 流動性が極端に低い時間帯:日本時間の早朝(5〜7時頃)、クリスマス、年末年始、イースター休暇など世界の主要市場が閉まっている時間帯はスプレッドが広がり、Off quotesが出やすくなります。
- マイナー通貨ペア・エキゾチック通貨:ZARJPY、TRYJPY、MXNJPYなどはメジャー通貨ペアに比べて流動性が低く、レート配信が不安定で136が頻発します。
- 許容スリッページが狭すぎる:スリッページ0または1に固定している場合、わずかな価格変動でも有効なクオートが見つからず136になります。
- ブローカーのサーバー障害:稀にブローカー側のクオート配信サーバーに一時障害が起きて、特定通貨ペアだけ136が出続けることがあります。
- 週明け・週末のギャップ:週明け月曜早朝はウィンドウ(窓)が開く可能性があり、クオート提示が安定するまで時間を要します。
解決手順
レート配信状況を確認して数秒待つ
チャートの右下にある接続状態(緑色のバー)とレート(Bid/Ask)が動いているかを確認。レートが更新されていない場合は、配信停止中です。通常は数秒〜数分で復帰するため、連打せずに待機します。
チャートを右クリック→更新
気配値表示ウィンドウで該当通貨ペアを右クリック→「更新」でクオートを手動再取得。これで直ることもあります。
許容スリッページを広げて再注文
注文画面の「許容スリッページ」を5〜20ポイント程度に設定して再注文します。ただし、意図しない約定レートになるリスクもあるため、相場状況を見て慎重に設定してください。
取引する時間帯・通貨ペアを見直す
流動性の高いロンドン時間(日本時間16〜24時)やNY時間(日本時間22〜翌6時)のメジャー通貨ペア(USDJPY、EURUSD、GBPUSD等)で取引すると、Off quotesの発生は大幅に減ります。早朝の5〜7時は特に避けましょう。
エラー136が起きやすい時間帯(早見表)
- 日本時間 5:00〜7:00:NY市場クローズ後〜東京市場オープン前。流動性が最も低い。
- 日本時間 6:00 週明け:週末の地政学ニュースで窓開けが起きやすく、クオート安定まで時間が必要。
- 重要指標発表の瞬間:米雇用統計(毎月第1金曜 22:30)、FOMC(日本時間 3:00 or 4:00)など。発表5秒前〜30秒後は要注意。
- クリスマス週・年末年始:12月24〜26日、12月31日〜1月2日は取引薄。
EAでOrderSendがERR_OFF_QUOTES(136)を返した場合は、RefreshRates()でレートを更新した後にSleep(2000)などで数秒待機し、リトライする実装が一般的です。連続リトライ回数は最大3〜5回に制限し、それでも失敗する場合はログ出力して処理を中断しましょう。GetLastError()でエラーコードを毎回記録しておくと、後で原因分析しやすくなります。
同じ通貨ペア・同じ時間帯で何度もOff quotesが発生する場合は、利用中のFX業者のリクイディティに問題がある可能性があります。他の業者で同じ通貨ペアのスプレッドや約定力を比較検討するのも選択肢です。特にスキャルピング中心のトレーダーは、約定力の差が成績に直結します。
エラー136を予防するためのチェックリスト
以下の設定・習慣を取り入れることで、エラー136の発生頻度を大幅に下げることができます。新規口座開設後や、通貨ペアを変えたタイミングで一度見直すのがおすすめです。
- 注文画面の許容スリッページ初期値を5〜10に変更:デフォルトの「0」は危険。MT4の設定でデフォルト値を変えておく。
- 取引は流動性の高い時間帯に集中:ロンドン時間(日本時間16〜24時)、ロンドン・NY重複時間(21〜24時)が最も安定。
- メジャー通貨ペア中心のトレード:USDJPY、EURUSD、GBPUSDはOff quotesがほぼ出ない。
- 重要指標カレンダーを事前確認:発表前後10分はポジション取得を避ける。
- VPSで安定した接続を確保:回線遅延由来のエラーも減らせる。
- EAにリトライ処理とログ記録を実装:エラー136/138/4109は同時にハンドリング。
類似エラーとの違い
MT4のエラーコード135〜138は「価格関連エラー」としてグループ化されており、それぞれ発生メカニズムが異なります。以下の早見表で違いを把握しておくと、同じような症状が出た時にすぐ対処できます。
- 135(Price changed):有効なクオートはあるが、注文画面表示中に価格が動いて有効期限切れ。→ 再クリックで約定可能な場合が多い。
- 136(Off quotes):そもそも有効なクオートがない状態。→ 時間を置くかスリッページを広げる必要。
- 138(Requote):サーバーから別価格が提示される。→ 新価格を承認するか再見積もり。
- 137(Broker busy):ブローカーのサーバー処理が混雑。→ 30秒〜数分待って再試行。
- 141(Too frequent requests):短時間に注文連打しすぎ。→ 1分以上待ってから再注文。
このうち、136と137はトレーダー側で解決できないケースが多く、時間を置くしかありません。逆に135と138は許容スリッページの調整で解決することが多いため、設定値を見直すのが先決です。
よくある質問(FAQ)
Q. エラー136はすぐ再注文しても大丈夫ですか?
A. 数秒〜数十秒待って、チャート右下の接続状態とレートの更新を確認してから再注文してください。配信停止中に連打すると、復帰直後に想定外のレートで約定するリスクがあります。
Q. エラー135とエラー136の違いは?
A. 135はレートが変動して有効期限切れになった状態、136はそもそも有効なクオートが取得できていない状態です。136の方がより根本的に配信側の問題です。
Q. 許容スリッページをどれくらいに設定すべきですか?
A. デイトレードなら5〜10ポイント、指標時やボラティリティが高い通貨ペアは15〜20ポイントが目安です。0や1に固定するとOff quotesが頻発します。
Q. EAでエラー136が返ってきた場合の処理は?
A. RefreshRates()でレートを更新してからSleep(1000〜3000)を挟み、MAX_RETRY回までリトライするのが定石です。GetLastError()で136を検知したら必ずスリッページ許容値を確認してください。
Q. 同じ通貨ペアでだけ頻発するのは業者の問題ですか?
A. 特定通貨ペアだけで頻発する場合、その業者のリクイディティプロバイダーが弱い可能性があります。メジャー通貨ペアで同じ問題が出るなら業者の見直しを検討してください。
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